「しつけ」という言葉は冷たく、きつく感じて好きではありませんが「ルールを覚えてもらう」という意味で一般的に分かりやすいこの言葉を使わせていただきますね。
シンガプーラのしつけについては、猫の脳・本能の仕組み自体が人や犬などと大きく違いますので、「猫にしつけができるわけがない」と考えられるのは当然のことです。
シンガプーラ成猫の知能は人の3歳くらい。
ただし、3歳児といっても言葉が通じないレベルと考えていただくと想像しやすいと思います。
基本的には人が配慮し、愛猫が危険な目に遭わないよう、大切なものが壊れないようにする他ないですが、努力すれば少しだけ覚えてもらうことは可能ですので「できるかもしれない」程度のご参考までにご覧ください。
シンガプーラはコミュニケーション能力がとても高く、ご家族が大好きです。
ルールを覚えてもらうことは普通よりは難しくありませんので、ご家族で方針を決めて取り組まれると良いでしょう。
ご家族が大好きな反面、不慣れな状況や初めて会う人が苦手な傾向がありますので、しつけの際にはよく様子を見てストレスを溜めすぎないように気をつけてあげてください。
も く じ
シンガプーラにルールを覚えてもらう方法
それでは実際にどの様にすればシンガプーラに生活のルールを覚えてもらえる(しつけができる)のか見ていきましょう。
しつけも楽しくなる賢さ
シンガプーラは賢い猫ですので、生活範囲のルールを覚えてもらうのは難しくはないです。
自分の名前はすぐに覚えてくれますが、時と場合によっては名前を呼ばれても耳がピクッと動く程度の反応しかしてくれないのが猫という生き物。
それでも一緒に暮らすと名前を理解していることが感じ取れるものです。
ノリの良い子ならお返事したり駆け寄って来てくれたりします。
どちらもそれぞれに可愛いですね。
生活の基本であるトイレやごはん、寝る場所もすぐに覚えてくれますので教えると言うほどの大変さではないです。
寝る場所はかなり好みがありますので譲れる範囲で好みに合わせてあげてください。
短い言葉で「トイレ」「ごはんだよ」「寝ようね」など、声かけと行動をセットにすると覚えてもらいやすくコミュニケーションも楽しくなります。
成猫は人間の3歳〜4歳程度の知能があるとされ、短い単語を繰り返し教えれば聞き取ることができるようになります。
シンガプーラもそのくらいに感じますが、彼らが優れているのは感情を察する能力だと思います。
語気や声色での感情表現は大切なコミュニケーションツールになりますので、ルールを覚えてもらいたい時には意識してみましょう。
褒めることから始めて根気よく
ダメなことをした時に叱れば良いと思いがちですが、それでは怒られて怖い思いや嫌な思いをしたこととダメな事柄が結びつかなかったりして上手くいきません。
まずは褒められて可愛がられることで、ダメとの差が分かりやすくなります。
ご家族にしっかり心を開いて安心して甘えきるまでは、危ないときだけ黙って抱き上げてすぐ降ろすという程度で時期を待った方が良いです。
早い子ではお迎えの初日から懐ききって、準備OKとなりますが、繊細な子もいたりと個体差もありますので、焦らずのんびり進めてください。
ルールを覚えてもらうこと、しつけの基本は条件分岐です。
「これをやったら…嫌な思いをした。」 このパターンを覚えてもらって、ダメなことをされいようにするわけです。
そのためダメな事柄はご家族とも協力して常に定めておくことが重要です。
「特別」や「ご褒美」はあまり意図が伝わらずに条件がブレるだけですので、例外を作らないようにしましょう。
どのような条件が適当なのかはご家庭によって異なりますが、危険と不衛生に絞ると多くはなりません。
好奇心いっぱいにご家族の家事を見ているシンガプーラですので、手を出してはいけないことは早めに阻止しなければいけないところです。
キッチンには危険がたくさんあり、衛生的にも触れて欲しくないですね。
シンクとダイニングテーブルに登るのはダメ!と決めたら、飛び乗ろうとした時、乗ってしまった時にすかさず少し強い声で「ここはダメだよ」「ダメ!」などと禁止用に決めた言葉を言いながら素早く抱き上げて、すぐに降ろします。
怒鳴ってはうまくいきませんが、いつもの可愛がっている声も使わないように工夫してみてください。
シンガプーラにルールを覚えてもらう、しつけのコツ
叩いたり大きな声で「ごらっ!!!」と言われると怯えを引きずってしまいますし、いつも通りに「だ〜めっ♪」と抱き続けて撫でたりしていると伝わりません。
あくまでも冷静に、毅然とした態度を示すのがコツです。
これが簡単そうに聞こえますが、可愛いので情に流されてしまい難しいのです。
しかしシンガプーラ自身の安全にも関わりますし、人がしっかりルールを決めてやれば覚えてくれることも多々あります。
ルールを覚える過程では、嫌われたのかとシュンとヘコむかも知れませんし、訳が分からずにショックを受けているかも知れません。
NGな事柄を諦めてしばらくしたら、また優しくしてあげましょう。
すぐに甘やかしてしまうと、「しては駄目なことをしたら可愛がられた」と誤解が生まれかねないので十分注意してください。
そしてまたダメな場面では毅然と「ダメ!」を教えていきます。
そうしているうちに、ご家族には懐いたままで「ダメ」が出る条件に気づいてくれたりします。
シンガプーラの運動神経は抜群! 野性味のある美しい動きで好奇心旺盛な冒険家です。
「小さな暴れん坊」の異名はこの活発さから来ていますが、楽しんでいる姿は微笑ましいもので、決して騒々しく騒ぎ立てるというわけではありません。
しかし、猫の筋力はすさまじく、下手な物の配置をしていると蹴り散らかされ、あちこちに物が散乱、大切なものは壊れ…となりかねませんので、子猫が過ごすことになる部屋では、お迎えの前までに物の出しっ放しや陳列はしないように心がけてください。
子猫は特に好奇心と遊び心には勝てませんが、基本的に頭の良い猫なので、ダメなことをしっかり覚えてもらえれば比較的安全に過ごすことができます。
ただし運動は心身の健康のために必要ですので、十分に遊べる環境を作ってあげましょう。
シンガプーラの人見知り
シンガプーラは特に人見知りが出やすい猫と言われます。
その分、懐いた時の可愛さは格別のものとなります。
人見知りを理解する
シンガプーラは初めて会う人や動物には警戒心を抱いて、怖がっている様子を見せる傾向があります。
懐いているご家族に対する態度とは大違いで、お客様が近づけばそそくさといなくなったり、場合によっては低い声をあげたり「シャーっ」と怒って威嚇したり、素早く逃げたりします。
場所見知りも同様にあり、動物病院など慣れない場所に行くのは苦手で、キャリーから出るのが怖い子が多いです。
このような子が多いのは、シンガプーラの飼い猫としての歴史が浅く、野生の血が色濃く流れているためだと思われます。
危険から身を守るための恐怖感という防衛本能が発動しているので、そんな時に無理に手を出せば恐怖のあまり攻撃されてしまうかも知れません。
シンガプーラ自身が「この人は安全」と確信して安心するまでは続きますので、下手に刺激せずにそっとしておいてあげてください。
人見知り対処法
ではどの様にしてシンガプーラを刺激せずに安心を伝えられるでしょうか?
その答えは意外と簡単で、そっとしておけば猫自身が解決してくれます。
警戒心を抱く最大の理由は「攻撃されるのでは?」と疑っているからですね。
攻撃しないと分かれば自然と警戒が解けていきます。
ここで動物界の攻撃サインを覚えておき、意図せず地雷を踏むようなことを無くしましょう。
動物の攻撃体制
- 微動だにせず固まる
- 相手をじっと見る
- 唸り声をあげる
- 大きな音を立てる
- とっさに素早く動く
- 近づく
この様な行動は避けて、猫を気にせずにゆったりとリラックスして過ごしていればOKです。
シンガプーラは最初はおそるおそる、次第に姿を見せてきます。
近くを素通りしたり、お尻を向けて知らんぷりするかも知れません。
そうなればもう大丈夫、仲良くなるチャンスが来ました。
首の後ろや頭をやさしく撫でるなど、軽いスキンシップから始めましょう。
シンガプーラのアイコンタクト
シンガプーラがコミュニケーション上手だと感じるのは、アイコンタクトが上手なところです。
本来は向かい合って目を見つめることは、猫にとって戦いを挑む意思表示です。
ときには目ヂカラだけで勝負が決まることもあるので、テリトリーや覇権争いが穏便に済む方法でもありますね。
目を逸らした方が協調を選んだことになります。
シンガプーラには懐いた人をじっと見つめる様なところがありますが、それは戦いではなくて興味や驚きの表情で注目しています。
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シンガプーラの子猫との暮らし