「小さな妖精」と呼ばれる愛らしさと小ささで知られるシンガプーラはその呼び名の通り、とても美しいルックスでも人気の猫種です。
・・・はい。私婆馬鹿ブリーダーでございますが何か問題でも?
均一な容姿を持って生まれることを求められるのが純血の猫ですが、中には多様性が見られる点もあります。
その魅力の一端をご案内させていただきます。
シンガプーラの外見の特徴
- 誕生年: 1974年
- 公認団体: CFA・TICAの両方
- 英語表記: Singapura
- 原産国: シンガポール共和国
- タイプ: セミコビー
- 原種: 雑種のティックドショートヘア
- 毛種: 短毛種
- 目色: ヘーゼル・グリーン・ゴールド・イエロー・カッパー など
- アイライン: 有り(黒)
- 毛色: セピア・セーブル・セピアアグーティタビー・セーブルアグーティタビー
- 体高: 成猫で25cm〜
- 体重: 成猫で2~4kg前後
世界最小サイズとも言われる「小さな妖精」
シンガプーラの最大の特徴はその小柄さです。
現在、公認され現存する中で世界一小さい純血種の猫としてギネスブック認定もされました。
成猫のオスでも2kgほどにしかならないと言われてきたシンガプーラ。
近親交配が減ってきた今でも標準的な平均体重は男の子は2.7kg~3.5kg、女の子は2.2kg~3.0kgほどと言われます。
平均的なサイズの猫よりもひと回り以上小さく、大型の猫と体重を比べると半分から3分の2ほどにしかならない、小さな身体をしています。
このように大変小型の猫であることからも、「小さな妖精」の愛称がぴったりな猫なのです。
また非常に成長が遅いことでも知られています。
最終的な成猫の大きさになるまでに15ヶ月程、さらにゆっくりな子だと24ヶ月かかることも。
初めてシンガプーラの子猫を診る獣医さんは、発育に何か問題があるのではないかと疑う程だそうですが、シンガプーラにとってはこれが正常なので心配はありません。
それでも人間と比べれば猫の成長は驚くほど早いですので、あどけない子猫の時期の可愛さも見逃さないよう毎日を大切に過ごしたいですね。
また、小柄なシンガプーラを期待していても、アメリカで育った血筋は大きくなりやすいなどの地域差もあります。
最近では3kgを優に超える子も存在するようです。
こらちの子には大きな子はおりませんが、笑い話で本当にシンガプーラかと疑われてしまうほど大きな子がいるというお話を伺ったことがあります。
人の手で保護され繁殖されるまでは小さくなってこっそり生きてきたシンガプーラですので、深く愛され安心して愛をたくさん食べすぎて大きくなってしまうこともあるのかも知れませんね。
体型はセミコビーというボディタイプ
シンガプーラの体型は、人に例えて言うなら細マッチョ。
少しがっしりした印象のセミコビータイプです。
南国シンガポール生まれのため、他のセミコビータイプと比べるとややほっそりとした、暑さに耐えやすい体型と言えます。
全体的にはがっしり型のコビータイプに近いですが、コビーに比べ四肢や胴体、尻尾がやや長く、重心が高めでスラッとしています。
前足と後足には丸みがあって、コビーよりは小さめの足先を持っています。
尻尾も先細りで、柔らかなしなりのある曲線を描きます。
セミコビータイプの特徴として顔が大きく筋肉質で貫禄があるのですが、シンガプーラの頭はやや小さく、短毛種なためスリムな印象がありますね。
猫の体型・体格は、ボディタイプとして大きく6つに分類されています。
- コビー: がっしりとした筋肉質のずんぐりむっくりな体型
- セミコビー: ややがっしりで大きな目としっかりしたあごが特徴
- オリエンタル: ほっそりスリムで小さな逆三角形の顔と大きな耳
- フォーリン: オリエンタルより少し丸みを帯びたオリエンタル系な体型
- セミフォーリン: コビー系とオリエンタル系のちょうど中間くらい
- ロング&サブスタンシャル: 大型でどっしりとした骨も筋肉も立派なタイプ
シンガプーラは筋肉質で運動量も多いので、細めに見えますがセミコビータイプに分類されています。
被毛と毛色の美しさ
ティッキングのある美しい毛
被毛は体にぴったりと沿って生えていて、肌触りはシルキーでなめらか。
絹のように細い短毛にツヤがあり、なでると見た目以上にフワフワしています。
毛の1本1本にティッキングがあり、根元は明るい色、先に行くと濃くなっています。
おでこに「M」の模様が浮かび上がり、大きな目を強調するように模様が入ることが多いです。
お腹は背中より淡い色でうっすらとベージュピンクの地肌が見える子もいます。
尻尾の先はチャコールグレーに近いダークなブラウン。
前肢の膝下の内側や、時折しっぽににバーリングが出ることがあります。
公認されている毛色は、セピアアグーチとも呼ばれるアイボリーの地色に褐色のティッキングをもつセピアのアグーティタビーのみですが、近年セーブルやセーブルアグーティタビーも見られるようになっています。
美しい毛並みも特徴的で、乱れることはほとんどありません。
光の加減によっては毛先がキラキラと透き通って見えて幻想的です。
被毛の特徴には様々な用語が発展していますね。
- アグーティタビー
1本の毛が明るい部分と暗い部分から構成され、タビー(縞)になっている毛色の特徴。
色の帯のように見えることからバンドとも言われます。 - ティッキング
1本1本の毛に2色以上の色の変化があること。
ティッキングがパターンになって細かい縞模様のように見えるのがアグーティタビーです。 - バーリング
バーとも呼ばれる棒状の模様のこと。
脚や尻尾に出る縞模様を指してバーリングと言います。 - セピア
語源はイカ墨を用いたインクの写真の色で、独特の茶褐色です。 - セーブル
アメリカなどに生息するイタチ科の動物の毛色で、ゴールドを思わせる黄色よりの茶色。
シンガプーラは地肌に近いほど淡く薄く、白に近い毛色になって、セピアやセーブルと規則的に混ざり合うのでタビー(縞)になります。
ぱっちりとした大きな目は最大の魅力
シンガプーラの魅力のひとつが吸い込まれそうなほど大きく美しい目です。
丸みがちなアーモンド型の大きな目に縦長の瞳が入り、キリッとした印象のまさに猫目。
目を囲む地肌がアイラインを入れたように黒くなっているので、よりパッチリとして見えます。
目の色は成長の過程で神秘的な変化を見せ、透き通った宝石のようです。
シンガプーラの最大の魅力は、このアイラインの入った可愛らしい目の形と大きさ、それぞれに個性的な目の色と言えるのではないでしょうか。
シンガプーラの子猫の目の色は生後9週間ころまでに変わるのが普通です。
生後8週間くらいまでは「キントブルー」と呼ばれる青色で、成長して生後8週間を過ぎたころから様々な目の色に変化し始めます。
成猫になるまでにヘーゼル、グリーン、ゴールド、イエロー、カッパーなどに変わって定着します。
その他の身体的特徴
ピンと目立つ幅広の大きな耳はチャームポイントのひとつです。
丸い頭にやや離れ気味に付いた幅広の耳がバランス良く、耳先の丸みも顔の可愛らしさを強調します。
尻尾はコビータイプに比べると長く、しなやかにスラッと伸びて優雅な動き方をします。
尻尾の先に行くほど細くなり、色が濃くなります。
よく動く尻尾は雄弁で、ぷんぷんと怒りを見せたり、「好き!」と言ってみたり、「はいはい聞いてるよ」と相手をしてくれたりと知れば知るほど可愛くなります。
大きな目、細いけれども綺麗に筋肉のついた身体小柄で愛らしい姿。
可愛くないわけがない、愛されるために神様に作られた生き物と言い切れる素晴らしさです!
・・・謙遜?それって美味しいですか?
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シンガプーラの歴史と人気