どうして希少なの? シンガプーラの歴史と人気

シンガプーラは個体数が少ないことが知られていて希少種だとも言われますね。たしかにペットショップでもなかなか出会うことができないシンガプーラ。どうしてこんなに数が少ないのでしょうか? その答えは飼い猫としての品種化の歴史を見ると分かります。

 

人気のペット シンガプーラの子猫販売

 

シンガプーラが希少と言われる3つの理由

ペットショップを探し回っても見つからない?!
シンガプーラがペット市場に出にくい理由を、私の婆馬鹿も交えまして解説させていただきます。

 

理由その1:歴史が浅くて増やしきれていない

「Singapura」という名は「シンガポール」という意味のマレーシア語で、その名の通り元はシンガポールで見つけられた自然発生の種、その土地特有の猫でした。

血統登録団体CFAによると、約50年前のアメリカでシンガプーラ品種化のための交配が始まりました。
CFAで正式に血統登録されたのは1982年。まだ30数年しか経っていない歴史の浅い猫種なのです。
そのため、日本でもまだ思うように個体数が増えていないのですね。

この品種は、1970年代初めにHalとTommy Meadowによって米国に持ち込まれ、彼らは家に連れて帰りました。初期のシンガプーラのブリーダーは、真に一貫性のある外観と、とりわけ健康と気質を育てるなど、純粋な特徴を確立するためにすぐに仕事を始めました。この品種の慎重な開発により、多様化された血統猫の数は少なくなりましたが、広く受け入れられました。現在この品種は世界中にいて、ほとんどの登録協会で認められています。CFAでは、シンガプーラは1982年に登録され、1988年にチャンピオンシップの競技会に受け入れられました。

シンガプーラの歴史

シンガプーラは血統登録団体TICA(The International Cat Association)には1979年に、CFA(THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION, INC.)には1982年に登録された比較的新しい猫種です。
発祥の地シンガポールでは時折見かけられていたものの、下水溝(ドレイン)に住み着いていたので現地の通称ではなんと「ドレインキャット」と呼ばれていて、注目される猫ではありませんでした。
ネズミなどを狩って猫らしく素朴に生活していたとみられ、現地の人から関心を集めることのない野良猫だったと言います。

そんなドレインキャットが世界的な血統猫の品評会にデビューし、チャンピオンシップにまで駆け上がるきっかけを作ったのはアメリカ人です。
1970年初頭、愛猫家の地球物理学者 ハル(Hal)、トミーメドウ(Tommy Meadow)夫妻によって見出されました。

「シンガポールには大きな瞳を持つ象牙色のネコが生息している」

この話に興味を抱いていた夫妻がシンガポールに赴任した際に動物愛護団体SPCAを訪れ、現地で保護されていたティックド・タビーの小さな体をした5頭の猫たちを譲り受けてアメリカに持ち帰ったことで育種が始まります。
この時、繁殖して誕生した子猫たちがシンガプーラの原型とされています。

しかし英国の遺伝学者が近親交配に対する懸念を表明するなど、遺伝子の研究には苦労したようです。1988年までに7匹の猫しかペットとして特定されていませんでした。
メドウ夫妻から早くにシンガプーラを譲り受けていた繁殖家のジェリーメイエス(Genie Mayes)は、1987年にシンガポールに出向き、より多くの基礎猫を探し出すなどの大きな貢献をしたということです。

種の起源を巡って議論が起こりCFAがシンガポールでの現地調査に乗り出すなど、たくさんの人の努力で固有の血統として育てられ、認められてきました。
今日、シンガプーラの品種としては依然として希少ですが、ブリーダーやペット所有者の間では専門的に飼育が進められています。

CFA (THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION, INC.)

CFAは世界最大の血統登録団体・愛猫協会です。
純血猫種の審査・血統登録書の発行・ブリーダー登録受領・キャットショーの開催を行っています。
世界各地に支部や所属団体、登録ブリーダーを抱えており、猫種の血統調査や動物愛護活動など猫にかかわる活動をしています。
新種の猫として世界的に広く認められるためには、新しい品種をCFAに申請し、純血の猫種だと認定されることが最も重要です。

 

理由その2:安定した価格で求めやすい

シンガプーラは血統登録からの年月が浅くて数が限られる猫種なので、価格の相場は少し高めですが、他の希少種と比べるとそれほど高くはなりません。数が少ないわりには値段がつり上がったりしにくいようです。

シンガプーラの子猫の価格相場

シンガプーラのブリーダー直販の価格相場は20万円~30万円くらい。
当キャッテリーでも25万円前後で推移しています。
※ブリーダー直販の価格にはペットショップでよくある安心パックや生命保証等と言われる8~30万前後もする大きなコストがないためお手頃になっています。


これは私が勝手に思う婆馬鹿だからかもしれない理由ですが、あまりにも可愛らしく甘える子達を少しでも長い間、手元に置いておきたいと思うブリーダーが多いため余計にペットショップに出て行くことが少なくなるのではないかと思います。
寂しがりやのシンガプーラですので、安心してお渡しできる方のところに巣立つまでは婆が大切に可愛がっております。

このような理由からブリーダーからの直販が一般化してきて、希少種ながらも価格が安定しています。
ペットショップで見つけるのが難しいのも仕方がないことなのです。

可愛いシンガプーラ 子猫の販売

 

理由その3:人気があり子猫のご成約が早い

1988年にCFAチャンピオンシップの品評会にデビューしたシンガプーラは、その小柄で美しい容姿と飼いやすい気質でたちまち人気者になりました。

シンガプーラは成猫になってもとても小さく、華奢で俊敏、優美な動き方をします。
独特の象牙色、セピアカラーのティックド・タビーという美しい毛色で、光の加減では毛先がゴールドに輝いて見えるという他の猫にはなかなか見られない独特の個性があります。

猫らしからぬ人懐こさも魅力で、悪戯っぽい表情で人を覗き込んだり、トロンと甘えて乗っかってきたりするコミュニケーション能力は賢さの現れです。
まるで自分が可愛いと分かっているかのような振る舞いは「小さな妖精」の愛称で親しまれ、またたく間に人々の心を鷲掴みにしました。

こうして世界中に人気が広がり、日本でもシンガプーラをご指名で探す愛猫家が増えています。
当キャッテリーでもご紹介後数日でご成約のお申し出をいただき実質予約が決まることも少なくありません。

子猫のお引き渡しの時期

子猫のお渡しは生後80日前後までお待ちいただき、ある程度身体が出来上がり、社会性や生活リズムの成長を遂げてからとさせていただいております。
詳しくは「ご検討・ご成約までの流れ」をご覧ください。
シンガプーラの子猫 ご検討・ご成約までの流れ | シンガプーラ販売【WANAN】


長いペットブームが一般に定着した今、商業でペットを扱うことは営利目的に他ならない人間社会ですが、そこにはお金には代えられない生体の命がかかっています。
ペットショップを介さずに信頼できると思われるブリーダーから迎え入れられる方法を選ぶ方が増えて、目に見える市場には出回りにくくなってきているのかも知れません。