準備は? 費用は? シンガプーラの子猫との暮らし

子猫を新しい家族として迎えるとき、意外に迷うのが住環境の準備や費用です。
シンガプーラの子猫だけに特化したものではなく全ての子猫に当てはまりますが、備えあれば憂いなしです。
普段、ブリーダーとしてご案内させていただいていることも含みますので、特にこちらの子猫をご検討いただいている場合にはお役に立つと思います。
子猫を迎えるのが初めての方も、愛猫達と長年一緒に暮らしていらっしゃる方もできれば一度目をお通しいただき、思わぬトラブルを避けて、安心して子猫をお迎えいただきたいと願っております。

 

シンガプーラの子猫を飼う準備をする方法 シンガプーラ販売の猫舎しっぽ

 

シンガプーラの子猫を迎える準備

シンガプーラは大変に頭の良い賢い猫種で、そうお伝えしてきましたが、だからこそ思ってもみなかった危険が現れるとも言えます。
まずはシンガプーラの子猫を迎える際に必要な生活の準備と、心の準備からご案内させていただきます。

 

あらかじめ危険を回避する

身の周りに強い好奇心をもつ「知りたがり屋さん」なシンガプーラ。
お家の中のことは全部知っておきたい様子ですし、ご家族が普段とは違うことを始めようものなら「何が始まるの?!」と好奇心の塊で近寄ってくることも。
お家には危険なものがたくさんあり、その全てが猫にとってはとても大きな人間サイズですので、愛猫達にとって大怪我に繋がりかねない未知の領域だということをご理解ください。

普通の住宅に潜む危険
子猫を守るため、ご家族が安心して過ごしていただくために注意したいこと。

  • お風呂
    風呂水を溜めておくのはエコな二次利用や災害対策のために一般的ですが、猫にとっては命に関わります。
    バスタブに落ちてしまっても器用に泳ぐ子もいますが、慌てて溺れてそのまま痛ましいことに、ということもありますので、お湯は必ず抜くかお風呂の蓋や戸は必ず閉めるよう十分に心がけましょう。

  • トイレ
    猫はお水が大好き。何故か水を見つけると嬉しいらしく、喜んで飲んでしまいます。
    トイレの蓋やドアを開けていると必ずと言っていいほど飲もうとしてしまうので閉めておきましょう。
    また、ドアを閉める際にはうっかり中に閉じ込めてしまわないように注意が必要です。

  • キッチン
    台所にある物の多くが危険です。
    コンロ、電子レンジ、炊飯器、刃物、洗剤、食器、etc… 加えてシンガプーラを含む猫が好んで登る背が高い家具家電も多いです。
    なるべく小まめに片付けながら、ちびちゃんがシンクに上らないように徐々に覚えてもらってください。
    一番確実なのは、キッチンに入れないように工夫すること。
    ガスの元栓は一回ごとに必ず閉めること。
    安全のためにガス調理器から電磁調理器に買い替えされる方も多くいらっしゃいます。

  • ケーブル・コード類
    スマホ程の充電用USBケーブルや電気コードのように太いものを噛むことは稀ですがイヤホンのような細いコードを噛み切ってしまう猫はとても多いです。
    お困りになられるのはもちろん、猫の誤飲にも繋がりますので必ず猫の手の届かない場所にしまってください。

  • 置き物
    猫のなかでもシンガプーラは小さいのにとってもパワフル。
    何でこんなにと思うような重さのものでも遊んでしまったり、隙間を通ろうとしてひっかけて落としてしまうことも多々あります。
    落として壊されるとお困りになるものや危ないものは、必ず猫が開けられない扉の中にしまってください。

  • 階段・家具
    シンガプーラなどの猫達は高い所に登るのが大好き。
    登ったのはいいけれど、降りられなくなって困り果て助けを呼ぶことも多々あります。
    登るのを禁止するのはまず無理です。
    とても難しいことですので、危ない箇所は登れないようにしておきましょう。
    キャットタワーなどを用意してあげると、ある程度興味を引きつけることができます。

  • 狭い場所
    もう一つ猫が好むのが、体がやっと入るくらいの狭い場所です。
    顔だけ出してくつろぐ姿には何とも言えない可愛さがありますが、入られては困る所や危ないところは塞いでおきましょう。

少しうっかりさんでとぼけた家族が仲間入りすると思ってお家の中を点検し、お互いに嫌な思いをしないよう怪我のないように整理しておいてください。

シンガプーラを飼う心の準備のやり方 シンガプーラ販売の猫舎しっぽ

 

子猫と暮らす心の準備

子猫を新たに迎えようと探すときのドキドキ、ワクワクする体験は素晴らしいものです。
どの子を見ても万事を超越して可愛く見えて、ご自分の元に来てくれたらどんなに甘い幸せな毎日を送れるかと思うと自然と笑顔になります。

ついつい舞い上がってしまう一方で、忘れてはならないこともあります。
子猫はかけがえのない命をもった尊い存在であり、決して可愛く動くだけのぬいぐるみではないということです。
命を預かることの重さを再認識して、お心の準備を整えてください。

子猫を迎える心構え
これだけは知っておきたい、命と向き合うための心。

大きな負担を背負う
私たちは普段、何気なくとも合理的に物事が運ぶように考えて過ごしていますが、猫と暮らすとその価値観を当てはめる事が難しい場面も多く出てきます。
永遠の幼児のようである愛らしい彼らに対して、手間と時間と費用をかけ続ける認識がまず必要です。
ご旅行に行かれたければペットシッターさんや預け先を探し、病気や怪我になれば医療費、看病、介護等大きな困難をもつこともあります。
このような多大な苦労、心労にも当然ながら見返りや謝罪を求めることもできません。
ただ自分の内面から起こる、大切な家族が愛おしいという感情の他にご褒美はないのです。

共に生きる
新たな伴走者はご家族のことをとても癒してくれる存在になりますが、その役割は強要されるべきものではありません。
良い時ばかりではありません。
常にその子の気持ちを尊重し、幸せに暮らせるように助けることから得られるものは計り知れません。

お互いの人生(猫生?)で何が起こるのかは分からないです。
たとえ何が起きたとしても、気分で接することのないようにできなければ愛玩動物の命を預かる資格がないと言わざるを得ません。
もちろんご家族の都合が悪くなったからと言って放棄できるものではないのです。
厳しい言い回しになり御気分を害されましたら申し訳ないのですが、何卒ご容赦いただきご理解ください。

 

私にとって愛猫、シンガプーラ達との暮らしは、大変な時が多々あっても素晴らしく温かく優しい気持ちに満たされた刺激的な毎日です。
自分の内面から起こる愛おしいという感情、これに勝るものには今まで出会った事がないと言えると思います。
この気持ちは家族とも共有でき、ご家族に素敵な時間をもたらしてくれることでしょう。

「ねこはかすがい」

オヤジギャグになりますが、お子様が巣立たれた後のご夫婦を初め、様々なご家族の中で新しく迎え入れたシンガプーラの子猫が話題の中心になり、絆が深まったとの嬉しいメッセージをたくさんいただいております。

シンガプーラの子猫を飼う費用 シンガプーラ販売の猫舎しっぽ

 

シンガプーラの子猫を迎える費用

少しでも準備のお役に立てましたでしょうか?
お気持ちがすっかり整うと、費用に対する考え方もシンプルになってくると思います。
「猫舎 尻尾(しっぽ)」からブリーダー直販でシンガプーラの子猫をお迎えいただく場合を例にして、初期費用と以後の年間飼育費用を見てみましょう。

 

初期費用

シンガプーラ他、子猫を迎える際の準備には、主に生体にかかる費用と住環境にかかる費用に分けられます。

子猫のご購入と初期費用

  • 生体代金
    平均 200,000~300,000円前後
    生体代金に関わる情報・保証については「子猫情報・生体保証内容」をご覧ください。
  • お引き渡し送料
    兵庫県の姫路市まで御自身で迎えに来ていただける場合はもちろん無料ですがお引き渡し方法によっては有料になりますので「お取引の方法等について」をご覧ください。
  • 混合ワクチン
    5,500円 (税別・初回接種は+1000円)前後

  • 1ヶ月分の食費
    子猫用ドライフード : 1,000円前後
    子猫用猫缶 : 6,000円前後
    おやつ : 500円前後
  • 衛生費
    猫用トイレ : 3,000円前後
    猫砂 : 1,000円前後
  • その他
    適宜、ベッド、食器、おもちゃ、防寒、キャットカラーなど
    10,000円前後〜

お迎え後様子を見て少し落ち着いたら主治医の先生を決めて健康診断5,000円~を受けましょう。
待ち時間はかかりますが、大きな動物病院のほうが費用もお手頃で検査や手術の設備が整っていることが多いのでお勧めです。

 

シンガプーラは暑い国の出身のため寒いのは苦手ですので、暑さ対策だけではなく防寒もしっかりとしてあげましょう。
免疫が十分についていない子猫のうちは感染症などに気をつけながらよく様子を見て、異変があればすぐ獣医さんに御相談ください。

 

シンガプーラ成猫の飼育費用

シンガプーラの子猫時代は長く、最初の1~2年間は徐々に食べられる量が増える程度の費用感です。
成猫になる頃に去勢や避妊を検討されると良いでしょう。
※男の子の去勢は可能な範囲で早めの生後6カ月前後をお勧めします。去勢が遅れ発情期を迎えてしまうとスプレー等の問題行動が去勢後も止まらなくなってしまいます。

シンガプーラの飼育費用

  • 健康診断 1回/年
    5,000円前後〜
  • ワクチン 1回/年
    6,000円前後
  • ノミ予防 1回/年
    10,000円前後
  • 去勢手術(オス)
    25,000円前後~
  • 避妊手術(メス)
    40,000円前後~

  • 年間食費
    ドライフード : 12,000円前後
    猫缶 : 72,000円前後
    おやつ : 6,000円前後
  • 年間衛生費
    猫砂 : 15,000円前後
  • その他
    適宜、ブラシ、爪切り、爪とぎ、シャンプー、キャットタワー、ウエアなど
    20,000円前後〜

予期せぬ医療費のために余裕をもって計画し、ペット健康保険なども検討に入れましょう。

 

トリミングに通うほどに被毛が乱れることはあまりないですが、爪、耳、歯、ブラッシングには手をかけてあげてください。
※シャンプーは汚れが取れない時以外は基本しなくても問題ありません。
お手入れの時間は大切なスキンシップ、健康チェックの時間になります。

 
〜Break time〜
シンガプーラの寿命
  

シンガプーラの成長は遅く、可愛い子猫時代が長いですが、寿命は一般的な猫と同じか少し短めの平均11〜15年くらいです。
少しでも長く一緒にいられるように健康管理で気を配れるところは普段の食事、運動、ストレスなど人間と変わりはないですので、健康的に過ごせているか、食事や水分量、排泄、睡眠、外見に変わった様子はないか気をつけてあげてください。

老年期の猫に多いのが腎臓の機能低下で、症状が現れるのが遅いので気付いた時には時遅し、ということになりかねません。
腎臓の負担を減らすためには月齢にあった良質なフードを与え、塩分を含むおやつは避けてあげて、水分不足も防いでください。
食事以外の水飲み場も作ると気分が変わってよく飲んでくれます。
猫はいたずらっこで、盗み飲みが好きなようですので(?!)うっかり置き忘れたかのようなサプライズな水を用意すると「見つけた♪」とばかりに可愛く飲んでくれます。